あすか製薬ホールディングスグループは、多様な資本を基盤に事業の成長を推進しています。製造資本、知的資本、自然資本、社会関係資本、人的資本の強化が財務資本の増強につながる好循環を築くことで、企業価値の向上と持続的成長を目指します。

(2025年9月掲載)

財務資本

特徴

国内医療用医薬品市場の厳しい状況や研究開発のリスクを認識しつつ、ポートフォリオの戦略的な構築・管理を重視しています。「中期経営計画2025」の目標数値である売上高700億円、営業利益率8%、ROE8%に対して、2024年度は売上高641億円に到達し、営業利益率およびROEはすでに目標を達成しています。PBRは2023年3月末時点の0.6倍程度から1倍を超える水準に改善しました。配当性向は、30%を目安とする業績連動型の安定配当方針へ移行し、2024年度は1株当たりの配当金を55円に増配しました。当社グループは、株主価値向上と企業価値最大化を目指し、利益成長と資本効率の改善を推進しています。

資本強化の方向性

資本コストや株価を意識した経営を重視し、成長戦略・株主還元の強化・IR活動の強化を柱に財務資本の強化を推進しています。医療用医薬品の研究開発や海外展開、M&Aを通じて収益基盤を拡大し、ROEの持続的向上を実現します。また、配当性向30%を目安とすることに加え、下限値を設定することで配当の安定性にも配慮しています。さらにIR活動の充実により投資家との対話を深め、PER・PBRの改善を通じて企業価値の最大化を目指します。現在策定中の次期中期経営計画においても、持続的成長と資本効率改善を両輪とする戦略を加速し、長期的な成長ストーリーの具体化に取り組んでいきます。

関係するマテリアリティ

ガバナンス強化

製造資本

特徴

効率的な生産計画と厳格な品質管理を通じて、医薬品の安定供給とコスト削減を実現する製造体制を構築しています。GMP基準を遵守し、MES(製造実行)、LIMS(情報管理)、QAS(品質保証)といったシステムを導入することで、生産履歴の追跡と迅速な不具合対応を可能にしています。これにより、高品質な製品を迅速かつ確実に提供し、患者さんの健康と安心を支えています。人材育成にも注力し、高度な専門知識と技能を持つスタッフが品質・生産管理を担い、環境への配慮として省エネルギー設備や廃棄物リサイクルを通じた持続可能な生産活動も推進しています。

資本強化の方向性

当社グループは、サプライチェーンマネジメントにおいて、ビジネスパートナーとの信頼関係構築を重視し、製品・サービスの品質維持・向上および安定供給を目指しています。2021年度に国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権の保護」などの10原則を支持し、サステナブル調達を推進しています。具体的には、サプライヤー評価システムを用いた公平・公正なお取引先の選定などに取り組んでいます。今後も生産体制の強化と生産性向上に努め、お取引先との連携強化、安定供給の継続などを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

関係するマテリアリティ

環境経営の推進/高品質な製品の安定供給と適正情報提供/人権の尊重

知的資本

特徴

「先端の創薬を通じて 人々の健康と明日の社会に貢献する」という経営理念のもと、知的財産を事業展開に不可欠な要素と位置づけ、戦略的に展開しています。特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産に関する活動をグローバルに展開する知的財産戦略を策定・推進することで、知的財産権の価値最大化を図っています。研究開発活動で創出された知的財産を適切に保護・管理し、企業価値向上のため、積極的に活用しています。

資本強化の方向性

人々の健康やアニマルヘルスに貢献する医薬品・製品を提供するため、自社・他社の知的財産を精査し、その発掘・活用に取り組んでいます。研究開発で創出された知的財産については、特許権などを戦略的に出願・権利化し、保護・活用することで製品価値の向上につなげています。さらに、医療関係者や患者さん、生産農家などのニーズを起点に、ノウハウを活用して製品価値を高め、オープンイノベーションによる知的財産の共創を推進していきます。

関係するマテリアリティ

ガバナンス強化

自然資本

特徴

当社グループは、環境保護と環境負荷の継続的低減を使命と捉え、全事業活動で取り組んでいます。環境マネジメント体制を確立し、環境法規制を遵守しています。あすか製薬いわき工場ではISO14001認証を取得し、環境経営を効率的に実践するため、「全社環境管理会議」を定期開催しています。気候変動への取り組みとして、2050年カーボンニュートラルの中期目標「2030年度CO2排出量46%削減(2013年度比)」を2023年度までに達成しました。水資源についても適切な管理を行い、主要事業所は水ストレスリスクが低いと評価されています。廃棄物については、2024年度の廃棄物172tのうち87%を再資源化しました。

資本強化の方向性

2050年カーボンニュートラルに向け、脱炭素社会の実現に貢献するというビジョンのもと、CO2フリー電力の購入、PPAモデルでの太陽光発電導入などを進めています。循環型社会の構築に向けては、廃棄物の削減、再利用の促進、省資源化を推進し、効率的な資源利用に貢献します。水資源については、引き続き取水量の抑制に努め、地域との連携を通じて水資源の保全に貢献します。また、TNFD提言に沿った情報開示を開始しました。LEAPアプローチに基づいた自然関連リスクと機会の識別を進めることで、生物多様性の維持・保全に積極的に取り組んでいきます。
*LEAP:Locate(発見)・Evaluate(診断)・Assess(評価)・Prepare(準備)

関係するマテリアリティ

環境経営の推進

社会関係資本

特徴

当社グループは、「生命」にかかわる企業として、医薬品提供に加えて、サステナビリティ推進を通じて社会の健全な発展に貢献しています。特に「女性の健康とアニマルヘルスに貢献する」は当社グループの特徴的なマテリアリティと捉えています。なかでも、産婦人科領域のリーディングカンパニーとして、2024年度は、月経随伴症状の改善により年間813億円の経済損失回避に貢献しました。また、月間30万ユーザー以上が利用する「女性のための健康ラボMint」を 運 営 し、社会との接点を強化しています。オープンイノベーションや外部連携を通じ、研究開発力向上に努めています。

資本強化の方向性

女性ヘルスケアの予防から予後まで貢献する企業を目指し、新薬パイプラインの獲得や既存製品の価値最大化を推進しています。2023年に設立した「あすかイノベーションファンド」を通じ、医薬品や周辺領域を含めたヘルスケア領域の事業化を目指します。信頼性保証本部では品質・安全確保と安定供給に取り組み、営業本部ではデジタルとリアルを融合させた三位一体のアプローチで多様な医療ニーズに対応しています。人権尊重を経営の重要課題とし、「ビジネスと人権に関する指導原則」などに基づき、すべてのステークホルダーへの責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献します。

関係するマテリアリティ

女性の健康とアニマルヘルスに貢献する/高品質な製品の安定供給と適正情報提供/人権の尊重

人的資本

特徴

当社グループは、人材を最重要財産と位置づけ、経営戦略と連動した人材戦略で「トータルヘルスケアカンパニー」を目指します。従業員一人ひとりの自律的な学びと成長を支援し、多様性を尊重する文化を醸成しています。従業員エンゲージメント調査ではワークエンゲージメントおよびメンタルタフネス度の偏差値が上昇傾向にあります。2021年4月導入の人事制度では役割と報酬を明確化し、評価の透明性・公平性を確保しています。女性管理職比率は2024年度末時点で13.5%に達し、多様な働き方制度や健康経営も推進しており、従業員のウェルビーイングと安全で快適な職場環境を追求しています。

資本強化の方向性

人的資本の最大化のため「成長戦略を実現する人材育成」を掲げ、新規事業や環境変化に対応できる人材の獲得・育成、多様な人材が活躍できる環境づくりを目指します。人事制度と連動した研修プログラム、キャリア支援、ジョブローテーションを通じて従業員の自律的成長を促進しています。男性育児休業取得率100%(2024年度)を達成したほか、管理職の多様性や障がい者雇用も積極的に推進中です。また、経営陣との対話で従業員エンゲージメントを高め、心身の健康を重視した健康経営と柔軟な働き方を支援しています。これらの取り組みにより、イノベーションを促進する組織風土変革と持続的な企業価値創造を目指します。

関係するマテリアリティ

企業価値向上のための多様な人材の育成/人権の尊重