中期経営計画

あすか製薬ホールディングス 中期経営計画2028

中期経営計画2028の位置付けと成⻑戦略

「中期経営計画2028」は、「ASKA VISION」の実現に向けた第⼀段階の実⾏計画として、2つの⼟台と5本の柱で構成する戦略に基づき、既存事業の着実な成⻑と将来の成⻑基盤の構築を両⽴させ、持続的な収益基盤の確⽴を⽬指します。
最終年度である2028年度には、売上⾼850億円の達成を⽬標とするとともに、売上⾼1,000億円の早期達成を⾒据え、事業基盤のさらなる強化を図ってまいります。

パーパス

すべての生命いのちの「あすも、みらいも、すこやかに」を実現します

中期経営計画2028

スローガン

持続的成⻑にむけた強みの深化とグローバル展開を⽀える事業基盤の構築

2028年度 財務⽬標

売上高

850億円

営業利益率

10%

ROE

10%

総還元性向

40%

成長を牽引する「5本の柱」

国内医療用医薬品

スペシャリティ領域の
さらなる拡充による
収益⼒の強化

創薬

グローバル展開の推進

グローバル

新⼯場稼働による
事業基盤強化

アニマルヘルス

新製品投⼊や海外展開を
通じた事業拡⼤

検査・
アラウンドピル

微量分析を活かした
検査事業の拡⼤と
医薬周辺領域への展開

2つの⼟台

財務戦略

資本コストを意識した経営の高度化

経営基盤強化

戦略を実⾏する経営インフラの強化

6のマテリアリティ

1

環境経営の推進

2

企業価値向上のための
多様な人材の育成

3

女性の健康とアニマルヘルスに
貢献する

4

高品質な製品の安定供給と
適正情報提供

5

人権の尊重

6

ガバナンス強化

ありたい姿

持続的な成⻑を遂げ、10年後もあすか製薬ホールディングスが社会に貢献することを⽬指して“ありたい姿2035”を設定しました。パーパスドリブンによる事業遂⾏によって“ありたい姿2035”を実現し、ステークホルダーの皆さまへ価値を提供してまいります。

ありたい姿

経営方針

当社グループは、社会から信頼され、持続的に価値を創出し続ける企業であり続けるため、⻑期ビジョン「ASKA VISION」に基づき、パーパスドリブンの経営を推進してまいります。
中核である国内医療⽤医薬品事業においては、産婦⼈科領域および甲状腺領域を中⼼としたスペシャリティ領域のさらなる拡充を図るとともに、創薬研究の強化やオープンイノベーションの活⽤により、社会ニーズに応える医薬品の創出を継続的に推進し、医療への貢献を果たしてまいります。
さらに、これまでの事業基盤を軸として、海外事業の拡⼤に加え、アニマルヘルスおよび検査‧アラウンドピル領域への展開を進めることで、「予防‧検査‧診断‧治療‧予後」にわたるヘルスケア領域全体をカバーし、国内外において事業を展開するトータルヘルスケアカンパニーを⽬指してまいります。
また、「中期経営計画2028」に基づき、「5本の柱」と「2つの⼟台」を軸に成⻑戦略を推進するとともに、資本コストを意識した経営の⾼度化や経営基盤の強化を通じて、収益⼒の向上と持続的な企業価値の向上を実現してまいります。

中期経営計画2028 財務⽬標数値

「中期経営計画2028」は、「ASKA VISION」の実現に向けた第⼀段階の実⾏計画です。本計画では、既存事業の着実な成⻑と将来の成⻑基盤の構築を両⽴させることにより、持続的な収益基盤の確⽴を⽬指します。
最終年度である2028年度には、売上⾼850億円の達成を⽬標としています。また、売上⾼1,000億円の早期達成を視野に⼊れた事業基盤の強化にも取り組んでまいります。

2028年度 財務⽬標

売上高

850億円

営業利益率

10%

ROE

10%

総還元性向

40%

中期経営計画2028 成長戦略

「中期経営計画2028」では「5本の柱」と「2つの土台」を軸に成長戦略を推進します。

5本の柱

当社グループの成⻑を牽引する事業を「5本の柱」と位置付け、経営資源を重点的に配分しながら成⻑戦略を推進してまいります。

国内医療用医薬品

― スペシャリティ領域のさらなる拡充による収益⼒の強化 ―

産婦⼈科領域および甲状腺領域をコアとするスペシャリティ領域でのさらなるプレゼンス向上を図ります。また、将来の事業成⻑を⾒据え、性差に由来する健康課題の解決を通じて社会に貢献してまいります。新領域への進出にあたっては、新たな権利の獲得やパイプラインの拡充に取り組むとともに、国内のみならずアジアでの販売も⾒据えた投資を積極的に⾏ってまいります。さらに、開発中の治療⽤アプリについて、販売‧提供体制の整備を進めることで、医薬品に加え新たな治療選択肢の提供に向けた基盤構築を推進してまいります。

創薬

― グローバル展開の推進 ―

スペシャリティ領域での地位を国内外で確⽴するために、婦⼈科疾患モデルの構築やイオンチャネル創薬などを中核とした創薬研究基盤の拡充に取り組んでまいります。また、オープンイノベーションの推進を通じて、抗体や中分⼦などの新規モダリティを取り込み、創薬競争⼒の強化を⽬指します。さらに、⾃社創製品の導出や共同開発などを通じてアセットの価値最⼤化を図り、中⻑期的な収益機会の創出につなげてまいります。継続的な臨床試験へのステージアップを実現するとともに、AKP-009およびAKP-017などの⾃社創製品のグローバル展開を推進してまいります。

グローバル

― 新⼯場稼働による事業基盤強化 ―

ベトナムHataphar社においては、2026年に商⽤⽣産開始予定の新⼯場を軸に事業基盤強化を図るとともに、スペシャリティ領域を含む競争⼒のある製品の展開を進め、シェア拡⼤と収益性の向上を実現してまいります。ベトナムおよびフィリピンを中⼼とした東南アジア地域において事業拡⼤を進めます。現地ニーズに対応した製品供給体制の整備に加え、あすか製品の展開などを通じて海外市場でのプレゼンス向上を図ります。

アニマルヘルス

― 新製品投⼊や海外展開を通じた事業拡⼤ ―

繁殖および内分泌など当社が強みを有する領域を中⼼に、産業動物およびコンパニオンアニマル向け製品の拡充を進めます。海外においては、動物⽤医薬品やサプリメントなどの投⼊によりアジアを中⼼とした海外展開を進め、早期の売上創出につなげていきます。これらアニマルヘルス事業を通じて⼈と動物が共⽣できる社会づくりに貢献してまいります。

検査・アラウンドピル

― 微量分析を活かした検査事業の拡⼤と医薬周辺領域への展開 ―

⾮侵襲性ホルモン量測定キットの普及拡⼤を図るとともに、⾃社技術である微量質量分析を活⽤したアラウンドピル領域への事業拡⼤を図ります。また、スタートアップ企業との協業を通じて医療⽤医薬品事業とのシナジーが期待できるヘルスケア領域の事業拡⼤を進め、新たな収益基盤の構築を⽬指します。

2つの⼟台

成⻑を牽引する「5本の柱」に対し、これらを⽀える基盤として、経営および財務の両⾯から成⻑を下⽀えする2つの領域を「2つの⼟台」と位置付けます。

財務戦略

― 資本コストを意識した経営の⾼度化 ―

資本コストを意識した経営のもと、ROICを活⽤した経営管理の導⼊により資本コストの改善を図るとともに、PBRの向上を重要な経営課題として取り組みます。これらの⽅針のもと、キャッシュ‧アロケーションの最適化を通じて成⻑投資と株主還元の両⽴を図るとともに、研究開発投資やM&Aについては選択的に実⾏してまいります。

経営基盤強化

― 戦略を実⾏する経営インフラの強化 ―

持続的な成⻑を⽀える経営基盤の強化に向け、ガバナンス、⼈材、DX、ESGの各領域において取り組みを推進します。コーポレートガバナンスの強化を⽬的とした監査役会設置会社から監査等委員会設置会社への移⾏にあわせて社外取締役⽐率を過半数に引き上げ、経営の透明性および監督機能の強化を図ります。
⼈的資本への投資を通じて次世代の経営⼈材および専⾨⼈材の育成を進めるとともに、DXの推進により業務プロセスの⾼度化と⽣産性向上を図ります。

前中期経営計画 振り返り

中期経営計画の変遷

当社グループは、2021年のホールディングス体制移⾏を契機に「中期経営計画2025」を推進し、スペシャリティ領域の強化や新規事業への展開を進めてきました。これらの取り組みを発展させ、2035年を⾒据えた⻑期ビジョンを策定するとともに、「中期経営計画2028」をその第⼀段階の実⾏計画として位置付け、持続的成⻑の実現を⽬指しています。

中期経営計画の変遷

前中期経営計画の成果と進捗

中期経営計画2025の最終年度である2026年3⽉期は、売上⾼711億円、営業利益率8.2%、ROE8.0%となり、中期経営計画の数値⽬標として掲げた売上⾼700億円、 営業利益率8%、ROE8%を達成いたしました。

進捗チャート

進捗チャート
2021年
3月期
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
2027年
3月期
(予想)
売上高(連結) 55,181 56,607 60,461 62,843 64,139 71,127 73,000
営業利益率(連結) 6.5% 8.5% 8.4% 10.3% 8.3% 8.2% 8.5%
ROE(自己資本利益率) 6.3% 8.8% 8.2% 13.0% 8.0% 8.0%

2026年3⽉期の経営成績の概況

当連結会計年度における経済環境は、国内では景気の緩やかな回復基調が続いた⼀⽅、地政学リスクの⾼まりや為替動向の変動に加え、資源‧原材料価格の⾼⽌まりによるコスト上昇圧⼒等により、依然として先⾏き不透明な状況が続きました。また、医薬品事業においては、継続的な薬価改定等による医療費抑制政策に加え、原材料費や製造コストの上昇の影響等により、事業環境は引き続き厳しい状況にありました。このような状況下においても当社グループの事業は重点品⽬の伸⻑等により増収増益となり、「中期経営計画2025」で⽬標として掲げた売上⾼700億円、営業利益率8%、ROE8%を達成いたしました。

当連結会計年度における当社グループの売上⾼は前年同期から6,988百万円増加し、71,127百万円となりました。これは主に産婦⼈科領域の製品群等が堅調に推移した医療⽤医薬品事業に加えて、持分法適⽤会社であるベトナム製薬企業Ha Tay Pharmaceutical Joint Stock Companyを連結⼦会社化したこと等によるものであり ます。ま た、売上原価率が前年同期⽐0.9%上昇し、売上原価は36,982百万円(前年同期⽐4,178百万円増)となりました が、売上⾼の増加により売上総利益は前年 同期から2,809百万円増の34,145百万円となりました。販売費及び⼀般 管理費は研究開発の進展による費⽤増等の影響から、前年同期から2,307百万円増の28,311百 万円となりました。 以上の結果、営業利益は前年同期から502百万円増の5,834百万円となりました。経常利益につきましては、営業外 収益を740百万円、営業外費 ⽤を908百万円計上したことから5,665百万円となりました。また、特別利益として固 定資産処分益を96百万円、投資有価証券売却益を1,474百万円計上する⼀⽅、 特別損失として投資有価証券評価損を244百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期から323百万円増の5,424百万円となりました。

重点テーマの進捗と成果

中期経営計画2025における重点テーマとして掲げた「7つの戦略」は概ね計画通りに進捗しました。産婦⼈科領域における年度売上No.1の達成、研究開発体制の強化、Hataphar社やMedChoice社との協業を起点とした東南アジアへの事業展開などを中⼼に、成果を上げました。

戦略 主な成果
スペシャルティ領域の取り組み強化による企業価値向上
  • ・ 産婦人科領域 年度売上No.1を継続
  • ・ 甲状腺領域での圧倒的なシェアを維持
  • ・ 治療用アプリの開発など新規モダリティへの挑戦
先端創薬による新薬の継続的創出
  • ・ スリンダ錠の発売
  • ・ AKP-022のPhⅢ開始
  • ・ LPRI-CF113のPhⅠ/Ⅱ開始
  • ・ 自社創製品(AKP-021)のPhⅠ開始
  • ・ イオンチャネル創薬基盤技術の導入
海外事業の展開
  • ・ ベトナム Hataphar社の連結子会社化
  • ・ フィリピン MedChoice社の持分法適用会社化
  • ・ 東南アジアを中心とした海外事業基盤の構築
トータルヘルスケア実現に向けた新たな価値提供
  • ・ CVC※による出資(8社)
  • ・ PFASの測定受託開始
  • ・ 非侵襲性ホルモン量測定キットの上市
  • ・ コンパニオンアニマル用医薬品の上市
  • ・ 新規飼料添加物の上市
業務効率化、コスト削減、財務基盤の強化
  • ・ 原価低減施策の継続(2020年度 54.0% → 2024年度 51.1%)
  • ・ 不採算製品ポートフォリオの適正化
  • ・ DXの推進による効率化
  • ・ 資金調達枠の確保による財務基盤の安定化
コンプライアンスの徹底と信頼性を重視する組織風土の醸成
  • ・ HD体制とガバナンス強化
  • ・ 品質マネジメントレビューの継続
  • ・ GMP品質マネジメントレビューの継続
  • ・ コンプライアンス研修の継続実施
成長戦略を実現するための人材育成
  • ・ 柔軟な働き方の拡充
  • ・ リスキリング機会の提供
  • ・ 各種研修の充実
  • ・ グローバル人材育成プログラムの開始
  • ・ 次世代リーダー育成プログラムの開始

経営環境

毎年の薬価改定などの医療費抑制政策、医薬品の品質・供給問題、創薬難易度の上昇などによる市場環境の変化に加えて、ロシア・ウクライナ紛争を始めとする国際情勢の変化、世界的サプライチェーンの混乱、エネルギー、原材料、賃金などの上昇に伴うコスト増など社会環境の変化が重なり大変厳しい状況が継続。

産婦人科市場の推移

当社グループの中核である医療用医薬品事業の産婦人科市場は持続的な成長が予測されています。

産婦人科市場の推移
2026年3月期 インベスターズガイドより

女性を取り巻く環境変化

国の女性活躍に関する政策の推進
  • 骨太の方針2024および女性版骨太の方針2024への記載
  • 月経、妊娠・出産、更年期等、女性の健康課題と仕事の両立支援
  • 婦人科特定疾患治療管理料の運用開始(2020年)
  • 不妊治療保険適用化(2022年)
女性の社会進出とライフスタイルの変化
  • 女性就業者数の増加、女性管理職の増加
  • 女性の健康課題に対する理解とヘルスリテラシーの向上、メディア・SNS等の露出回数増加
女性疾患に関する医療技術の進化・医療アクセス向上
  • アジアを中心に高品質な医薬品を展開しプレゼンスを向上する
  • 月経困難症や不妊に対する治療の多様化
  • インターネットの普及やオンライン診療の拡大

産婦人科市場における当社グループのシェア

当社グループの成長ドライバーである子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」および月経困難症治療剤製品群のシェア。

2026年3月期 インベスターズガイドより

リスクと機会

あすか製薬ホールディングスでは、グループ各社の持続的成長のために、おかれている「現状」と、それに伴う「機会」「リスク」を正しく分析し、当社事業との関連性や社会貢献の観点から取り組むべき最重要課題を特定しています。
特に当社の強みを発揮できるマテリアリティである「女性の健康とアニマルヘルスに貢献する」を基軸にグループ全体で各項目に取り組むことでSDGsの達成にも貢献してまいります。

マテリアリティ特定の背景 SとG 現状 少子高齢化社会、企業統治厳密化の流れ、毎年薬価改定、適切な開示、説明の機会増加、安定供給の重要性、ダイバーシティの推進、人材のグローバル化、コンパニオンアニマルの増加、Eの現状 顕著な気候変動(異常気象)、水資源リスクの拡大、廃棄物量増加とリサイクルニーズの必要性、再生可能エネルギーへの期待、SとG 機会 消費者選好の変化、女性活躍推進機運の高まり、ジェンダー志向拡大、産婦人科リーディングカンパニーに対する異業種からの期待の高まり、コンパニオンアニマル疾病の多様化、Eの機会 気候変動リスクへの積極的取り組みによるステークホルダーの評価、サプライヤーとの協業による環境保全に資する新たな事業展開、SとG リスク パンデミックによる医療財政圧迫、異業種参入の脅威、製造原価、営業費用上昇、医療財政逼迫による想定を上回る薬価改定、Eのリスク 想定を上回る気候変動による疾病構造の変容、予期せぬ気候変動に伴う災害による原材料の安定的確保への影響

医療費抑制を目的とした薬価改定の影響と新薬開発への戦略的シフト

 国による医療費抑制を目的とした薬価改定は、従来は隔年で行われていましたが、2021年以降は毎年の改定へとシフトしています。これにより、医薬品価格の下落リスクが継続的に発生するようになり、製薬企業にとってはかつてないほど厳しい事業環境となっています。一方で、医療上の必要性が高い医薬品についての不採算品再算定(医薬品の安定供給や原材料費の高騰への対応)や、創薬イノベーション推進のための加算措置によるプラス効果は一定程度見られるものの、毎年の薬価改定によるマイナス影響は依然大きく、特にジェネリックは、先発品に比べて薬価の引き下げ幅が大きい傾向にあります。こうした環境下で、当社グループは新薬開発を重視し、先発品比率を高めることで収益性の安定化を目指してきました。今後も革新的な新薬を投入することで、持続可能な成長を実現します。

あすか製薬の先発品比率と薬価改定率および影響率

財務資本戦略

企業価値最大化に向けた資本効率経営と財務戦略の深化

(2025年9月更新)

中期経営計画を遂行するにあたっての経営環境の認識

当社グループは「中期経営計画2025」の最終年度である2025年度に、売上高700億円、営業利益率8%、ROE8%の達成を目指し、着実に計画を進めています。2024年度は、売上高約640億円と過去最高を更新し、営業利益率およびROEはいずれも8%超を達成するなど、当社の成長戦略に基づく取り組みが順調に成果を挙げることができました。この実績を踏まえ、2025年度は、新たに連結子会社化したベトナムの製薬企業Hataphar社の売上高が決算に加わる見込みであり、「中期経営計画2025」の目標達成に向けて手応えを得ています。現在、国内の医療用医薬品市場は、毎年の薬価改定や国内人口減少といった構造的要因による逆風にさらされ、業界を取り巻く事業環境は極めて厳しい状況です。医療用医薬品の研究開発は、開発期間の長期化や成功確率の不確実性などのリスクを伴います。同業他社でも開発の中断や撤退の事例が多数報じられるように、成果が期待どおりに実を結ぶとは限りません。このような環境下において、当社グループが中長期的な企業価値の向上を実現するためには、現在の事業領域における製品群の価値向上やパイプラインの拡充に加え、新規領域や新規事業を含む将来の事業ポートフォリオを戦略的に構築・管理していくことが極めて重要であると考えています。当社グループは「中期経営計画2025」において、「スペシャリティファーマを基盤とするトータルヘルスケアカンパニー」を目指す姿として掲げています。この計画を達成するために4つのビジョンと7つの戦略を策定しており、その戦略の一つとして「海外事業の展開」があります。国内の医療用医薬品市場の先行きが現状維持から縮小傾向にある一方、国外では東南アジア諸国を中心に人口増加や所得水準の向上、女性の社会進出などを背景とした医療ニーズが急速に高まり、医薬品市場の規模は拡大しています。なかでもベトナムは高成長市場として注目されており、約1億人を超える人口に加え、政治的安定性や良好な治安環境も評価されています。GDP成長率は概ね5~6%で推移し、医薬品市場規模は約6,300億円と推定され、年平均成長率(CAGR)は9.4%と高い成長性を示しています。また、フィリピンもベトナム同様、安定したGDP成長率を維持しつつ、経済規模も拡大している国の一つであり、現在も5~6%の成長率で堅調な経済成長を続けています。人口は約1億1,272 万人に達し、医薬品市場は約7,000億円規模と見込まれており、さらなる市場拡大が期待されます。さらに、フィリピンはジェンダーギャップ指数において東アジア太平洋地域で第3位と、女性の社会進出が進んでいる国でもあります。一方で、こうした市場は医療インフラや医療アクセスの地域格差といった課題も抱えています。当社グループにとっては、日本国内で高品質の製品を安定供給してきた実績や、長年培ってきた産婦人科領域における知見や啓発活動などのノウハウを活かし、将来的に現地の女性の健康課題にも取り組むことで、新たな成長機会を創出できる有望な市場であると考えています。
*出所 : 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)

2024年度における中計推進の成果と今後の課題

当社の事業はホールディングス体制のもと、「医療用医薬品事業」、「アニマルヘルス事業」、「検査事業」、「海外事業」にて構成されています。各事業が保有する知見や技術、ノウハウを相互に活用し、グループ会社間のシナジーをフルに発揮することにより、企業価値の最大化を目指しています。医療用医薬品事業は、毎年の薬価改定やパテントクリフもあり、既存製品群のみでは成長のペースを持続していくことが難しい状況です。安定的な収益力を維持していくには、継続的な成長製品の開発や獲得が喫緊の課題となります。このため、「中期経営計画2025」では重点課題の一つでもある「先端創薬による新薬の継続的創出」に向け、パイプラインの拡充を目的とした開発・導入活動を一層活発化させるとともに、創薬研究体制の強化を加速させています。2024年度には、新たにイオンチャネル領域のプラットフォームを導入し、従来の重点3領域(内科・産婦人科・泌尿器科)に限定していた研究対象領域を拡げることとしました。新薬創出には10年単位の長期的視点が必要であり、研究開発には先行投資を要しますが、中長期的には新薬上市による収益基盤の拡大などにより企業価値の向上に繋がるものと考えています。引き続きこうした観点から、戦略的投資を継続していきます。これまでアニマルヘルス事業は、牛・豚といった産業動物向け製品を中心に展開してきました。一方、コロナ禍を契機とした巣ごもり需要の高まりなどにより、ペットとして猫や犬を飼うご家庭が増加するなど、コンパニオンアニマル市場は拡大しており、この分野での事業展開を一層加速させていきます。こうした産業動物およびコンパニオンアニマル双方の市場ニーズに的確に対応するため、新製品の投入やM&Aなどノンオーガニックな成長機会を積極的に追求していくことも今後の成長に向け重要であると考えています。検査事業では臨床検査分野の強化を図るなか、2025年3月に猫用の甲状腺機能亢進症検査キットおよび猫用ストレス検査キットを発売するなど、ペット市場における展開にも積極的に取り組んでいます。これらの製品は、アニマルウェルフェアの観点からペットの健康管理に寄与するものです。加えて、新たな取り組みとして、環境汚染物質測定事業にも着手しており、血中および水中のPFAS(有機フッ素化合物)の測定受託を開始しました。現代社会の多様なニーズに対応すべく、各種検査・測定キットの開発・発売を進めており、環境課題の解決にも貢献していきます。海外事業に関しては、現地の事情に精通したパートナー企業と連携しながら事業展開を進めていくことが不可欠と考えています。当社は、ベトナムで2025年2月にHataphar社を連結子会社化したことに加え、フィリピンの製薬企業グループであるFTS Ambrose社の株式を約20%取得し、持分法適用会社としました。これにより、FTS Ambrose社のグループ会社であるMedChoice Pharma社との協業体制が整いました。同社は内分泌領域の甲状腺ホルモン製剤に強みがあり、フィリピン国内で第2位のシェアを誇っています。当社が国内で培ってきた甲状腺疾患に対する啓発活動のノウハウや、長期にわたる安定的な供給体制の経験を活かし、現地の医療ニーズに的確に応えてまいります。また、当社グループはオープンイノベーションを通じ、自社創薬のみならず、社外からのアセット導入や共同研究・ 開発にも取り組んでいます。2024年度からは、国内アカデミアを対象とした研究公募を開始し、優れた技術との新たな連携機会を創出しています。次期中期経営計画については、「医療用医薬品事業」、「アニマルヘルス事業」、「検査事業」、「海外事業」の各分野において現場の意見を集約しつつ、策定作業を加速させています。伸長している産婦人科領域を基盤にした国内市場に 加えて、成長性の高い海外市場への事業拡大を推進してい きます。売上高などの目標指標については、10年後のあるべき姿から逆算した計画値の設定を想定しており、ノンオーガニックの成長も視野に入れながら、持続的かつ実効性のある成長戦略の具体化に取り組んでいます。

資本コストと株価を意識した企業経営の最適化

当社はPBRの向上を重要な経営課題の一つとして位置づけており、2023年には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表しました。そのなかで、「成長戦略」、「株主還元の強化」、「IR活動の強化」という3本の柱を掲げ、取り組みを進めてきました。「成長戦略」では、医療用医薬品事業の強化、新規事業の確立、海外展開に取り組むこととしており、オープンイノベーションや外部連携を活用し、スペシャリティ領域の強化を推進しています。研究開発については、売上高の10%強の規模の投資を維持・拡大していくことを想定しており、当社の持続的な成長を支える重要な取り組みと位置づけています。また、トータルヘルスケア実現に向け、資本・業務提携やM&A、有望分野への投資も強化しています。2023年に女性の健康課題解決などを目的として設立したCVCファンドは、投資先を順次拡大し、現在では8社の投資実績があります。さらに、人材戦略にも注力し、環境変化やグローバル展開にも対応できる、チャレンジ力のある人材育成を推進しています。「株主還元の強化」については、従来の安定配当方針から、配当性向30%を目安とする業績連動型に移行し、あわせて下限値を設定することで、配当の安定性にも配慮した制度改定を行いました。2024年度については、年間の1株当たり配当金を15円増配し、55円としました。また、2025年度についても年間55円の配当(中間配当27円、期末配当28円)を見込んでいます。「IR活動の充実」に関しても、これまで年2回実施していた決算説明会に加え、機関投資家との1on1ミーティングや個人投資家向け説明会など、機会の拡充を図ってまいりました。また、統合報告書の内容の充実にも努め、社外からの評価の高まりとも相まって、日本IR協議会から「IR優良企業奨励賞」を受賞するに至りました。「IR優良企業奨励賞」は当社のIRへの取り組みが広く認められた成果であり、大変名誉な出来事であると感じています。企業価値評価の基盤となるROEについては、2021年度以降8%以上を維持し、「中期経営計画2025」の最終年度となる2025年度も目標とする8%を達成できる見込みです。引き続きROEの持続的な向上に努め、その成長力を市場に示していきたいと考えています。現在、株主資本コストを上回るROEを継続的に維持していくため、利益性の高い新薬事業への注力による製品ミックスの改善を進めるとともに、主力である医療用医薬品事業の収益力向上や海外展開の拡大に取り組んでいます。また現在策定中の次期中期経営計画では、新たな事業戦略を推進していくことで、ROEのさらなる向上を目指していきます。こうした取り組みにより、人件費や資材価格の上昇、薬価改定などの逆風を乗り越え、収益基盤の強化と持続的な成長を図ります。ROEと並んで企業価値評価に重要な役割を果たすPERについては、業界平均を若干下回る水準にあるものの、一定の改善傾向を示しています。ROEの向上とPERの改善を両立できれば結果として、PBRの上昇をもたらすことになります。当社は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」の公表やIR活動の強化など、こうした好循環を意識した取り組みを進めてきた結果、2023年に0.6倍程度であったPBRは現在1倍を超える水準となりました。もっとも、1倍超はあくまで出発点であり、さらなる改善が必要と認識しています。今後とも、わかり易い成長ストーリーを構築し、機関投資家に加えて個人投資家層への発信強化などを通じて、事業活動への理解と共感を広げ、当社への評価を高めていくことで、PBRのさらなる向上に努めていきたいと思います。また、収益力の強化と並んで資本構成の最適化も重要なテーマです。当社は運転資本や固定資産の適正管理を徹底するとともに、保有意義が薄いと判断される政策保有株式の縮減を継続的に進めています。こうした資産効率化はROEの向上につながり、その成果はPERやPBRの改善へと波及すると考えています。なお、政策保有株式の保有状況につきましては、2025年3月末時点における連結純資産に対する割合は16.7%となり、前年度末から1.7ポイント低下しました。当社は引き続き、ROE・PER・PBRを相互に関連する指標として捉え、利益成長と資本効率の改善、そして投資家との対話を通じて、この好循環をさらに強固なものとし、企業価値の最大化を実現していきます。

政策保有株式の縮減状況

政策保有株式の縮減状況

PBR(株価純資産倍率)、ROE (自己資本当期純利益率)の推移

PBRは1倍前後、ROEは近年8%超で推移しており、2025年3月期はPBR1.02倍、ROE8.0%となりました。

PBR(倍)とROE(%)の経年推移。2014年3月期:PBR0.87倍、ROE1.5%。2015年3月期:PBR0.95倍、ROE3.4%。2016年3月期:PBR1.05倍、ROE1.9%。2017年3月期:PBR1.21倍、ROE7.8%。2018年3月期:PBR1.14倍、ROE5.8%。2019年3月期:PBR0.76倍、ROE4.1%。2020年3月期:PBR0.72倍、ROE1.5%。2021年3月期:PBR0.97倍、ROE6.3%。2022年3月期:PBR0.73倍、ROE8.8%。2023年3月期:PBR0.65倍、ROE8.2%。2024年3月期:PBR1.08倍、ROE13.0%。2025年3月期:PBR1.02倍、ROE8.0%。

株主資本コストについての考え方

当社グループは、資本コストを意識した経営に努めています。「ROEから株主資本コストを差し引いたエクイティスプレッドとPBRは、基本的に正の相関である」という考え方のもと、ROEの改善だけでなく資本コストの引き下げにも取り組んでいます。
株主資本コストについては様々な見方があると認識しておりますが、企業が資本調達の際に負担する資本コストは、広い意味では投資家が企業に期待する収益率・リターンであると考えられます。その際に重要となるのが、IR活動だと認識しています。企業がIR活動に消極的で、財務や事業に関するディスクロージャーが不十分だと、どのようなリスクや機会があるのか十分には特定できず、その企業への投資はハイリスクと捉えられ、期待収益率を高めに設定せざるを得なくなります。その反対に、「十分なディスクロージャーを行い、投資家にサプライズを与えない」という方針の企業であれば、その企業への投資はローリスクと捉えられ、期待収益率が下がり、結果として株主資本コストの改善が図れるものと考えます。こうした考え方のもとで、IR活動の一層の強化により実質的な株主資本コストの引き下げを図り、株主、投資家の皆さまとともに企業価値向上を目指していきます。

PBR 1倍超の早期実現を目指すための取り組み

1. 成長戦略

(2026年6月更新)

  • 成長戦略の実施
  • キャッシュアロケーションの最適化

FY2023-FY2025の実績

キャッシュイン キャッシュアウト
営業キャッシュ・フロー
325億円


政策保有株式や遊休資産等の売却に伴うキャッシュ
67億円
239億円 【成長投資】
研究開発、事業開発強化、パイプライン拡充
東南アジアにおける事業確立
69億円 【経営基盤の強化】
生産設備の更新・拡充
人的資本やDXへの投資
43億円 【株主還元】
継続的な増配により、2025年度に年間配当額が60円
41億円 【有利子負債削減】
好調な業績を背景に有利子負債の返済が進展し、レバレッジ余力の拡大を実現

中期経営計画2028(FY2026-FY2028計画)

キャッシュイン キャッシュアウト
営業キャッシュ・フロー*5
400億円


政策保有株式や遊休資産等の売却に伴うキャッシュ
40億円

資金調達
+α億円
300+α億円 【成長投資】
パイプライン拡充にむけた導入や研究開発への投資を強化
グローバル事業の拡大にむけた成長投資を強化
アニマルヘルスや検査・アラウンドピル領域における新たな成長機会へ投資
M&A・承継を通じた事業拡大
CVCを通じた投資の推進
60~70億円 【経営基盤の強化】
安定的に事業を継続するため、生産設備の更新・拡充を適切に実施
グローバル事業の拡大にむけた成長投資を強化
人的資本やDXへの投資を強化
70~80億円 【株主還元】
累進配当の導入や自己株式の取得等により、株主還元を強化
2. 株主還元の強化

(2026年6月更新)

  • 2027年3月期以降、総還元性向40%を目安に株主還元を行い、利益成長に応じた配当水準の向上を目指す
  • 株主の皆様への利益還元の姿勢を明確にするため、累進配当(特別配当を除く)を導入し、原則として減配を行わない方針とすることで、安定的な配当の維持に努める

1株当たり配当額推移(%表示は配当性向)

1株当たり配当額推移。2023年3月期:配当額16円(配当性向10.7%)2024年3月期:配当額40円(配当性向15.0%)2025年3月期:配当額55円(配当性向30.6%)2026年3月期:配当額60円(中間27円、期末33円予定)(配当性向31.4%)2027年3月期予想:配当額65円(中間32円、期末33円)(配当性向38.4%)

株主還元

3. IR活動の強化
  • 対話機会の創出
  • 開示情報の充実
株主・投資家との対話状況(2024年3月期)
活動内容 実績(前年度) 対応者
決算説明会 2回(2回) 経営層
証券会社主催カンファレンス・ミーティング 3回(1回) 経営層
個人投資家向けIRイベント 2回(1回) IR担当部門
機関投資家向けIRイベント(パイプライン説明会) 1回(1回) 経営層
個別IR取材/SR対話 100回
延べ110社/延べ163名
(79回)
経営層/
IR・SR担当部門

ガバナンス

基本的な考え方

当社は、次の基本的な考え方に沿って、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。

  1. 株主の権利が実質的に確保されるよう努めるものとし、株主の実質的平等性を確保する。
  2. ステークホルダーとの適切な協働に努め、健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に努める。
  3. 会社の財政・経営その他の情報を適切に開示し、透明性を確保する。
  4. 取締役会は、企業戦略に基づく積極果敢な経営判断を行う環境整備を行うとともに、取締役に対する実効性の高い監督を行う。
  5. 株主との間で建設的な対話を行う。

ガバナンス

社外取締役座談会

非財務戦略

「あすか製薬ホールディングスは財務目標の達成を目指すとともに事業活動を通じて社会課題に取り組みSDGs実現へ貢献してまいります。」

パーパス

すべての生命いのちの「あすも、みらいも、すこやかに」を実現します

中期経営計画2028

スローガン

持続的成⻑にむけた強みの深化とグローバル展開を⽀える事業基盤の構築

2028年度 財務⽬標

売上高

850億円

営業利益率

10%

ROE

10%

総還元性向

40%

成長を牽引する「5本の柱」

国内医療用医薬品

スペシャリティ領域の
さらなる拡充による
収益⼒の強化

創薬

グローバル展開の推進

グローバル

新⼯場稼働による
事業基盤強化

アニマルヘルス

新製品投⼊や海外展開を
通じた事業拡⼤

検査・
アラウンドピル

微量分析を活かした
検査事業の拡⼤と
医薬周辺領域への展開

2つの⼟台

財務戦略

資本コストを意識した経営の高度化

経営基盤強化

戦略を実⾏する経営インフラの強化

6のマテリアリティ

1

環境経営の推進

2

企業価値向上のための
多様な人材の育成

3

女性の健康とアニマルヘルスに
貢献する

4

高品質な製品の安定供給と
適正情報提供

5

人権の尊重

6

ガバナンス強化

サステナビリティ推進

あすか製薬ホールディングスグループは「先端の創薬を通じて 人々の健康と明日の社会に貢献する」という経営理念のもと、事業を通じた社会課題の解決に向けESG経営に邁進しています。
 当社グループでは、11のマテリアリティ(最重要課題)を特定していますが、なかでも「女性の健康への貢献」と「アニマルヘルスへの貢献」は当社ならではの特徴的なマテリアリティであり、グループを挙げて推進しています。また、太陽光発電の拡充やクリーンエネルギーの導入などによるCO2排出量削減など気候変動への対策や、「新規事業や環境変化に対応できる人材育成・獲得」と「女性、キャリアやシニアなど多様な人材が活躍できる環境づくり」による人的資本の強化にも取り組んでいきます。
 2023年4月には、これまでの取り組みをさらに加速させるために、グループ経営企画部内にサステナビリティ推進課を新設しました。今後も、サステナビリティを経営の中心に据えて、企業の経済的価値の最大化と社会的価値の向上を両立させることで、ステークホルダーの皆さまの期待に応えていきます。
あすか製薬ホールディングス株式会社
代表取締役専務取締役 サステナビリティ担当
丸尾 篤嗣

サステナビリティ基本方針

当社は、「CSR基本方針」を定め、グループ全体で継続的な成長と社会への貢献を追求します。
また、ステークホルダーの皆さまの信頼に基づく健全な事業活動を通じて収益性を高め、良き企業市民として社会的責任を果たします。

  1. 高品質な医薬品の提供
    • 経営理念に基づき、全社員が誠実な企業活動を行います。
    • 有効性、安全性に優れた高品質な医薬品を安定的に提供します。
  2. コンプライアンスの推進
    • 企業倫理の徹底をはかり、法令を遵守します。
    • ステークホルダーの皆さまに対して、公正な関係を維持し、公正・透明・自由な競争と適正な取引を行います。
    • 個人情報の保護に関して、「個人情報保護方針」を遵守し、情報を適切に管理します。
  3. 人権の尊重
    • 企業活動によって影響を受ける全ての人々の人権を尊重します。
    • 社員の多様性を尊重し、安全で働きやすい企業風土の醸成に努めます。
  4. 地域・社会への貢献
    • 良き企業市民として、地域・社会とのコミュニケーションを積極的に図り、社会貢献に取り組みます。
  5. 環境保全
    • 環境保全活動に取り組み、環境経営を推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。

マテリアリティマップ

重要課題のマッピング
社会貢献の観点から6のマテリアリティを特定。環境経営の推進、企業価値向上のための多様な人材の育成、女性の健康とアニマルヘルスに貢献する、高品質な製品の安定供給と適正情報提供、人権の尊重、ガバナンス強化

 当社グループは「スペシャリティファーマを基盤とするトータルヘルスケアカンパニー」を目指しており、社会課題の解決と持続可能な社会の構築に貢献していくため、2021年のESG委員会発足と同時に、当社だからこそ成しえる17のマテリアリティを特定しました。(2023年10月:11に再編/2025年4月:6に再々編)
特に「女性の健康とアニマルヘルスに貢献する」は、当社の強みを発揮できるマテリアリティであると考えています。
中期経営計画に基づき、これらを中心にグループ全体でマテリアリティに取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献し、社会価値の創出による持続的成長と中長期的な視点で企業価値向上を目指してまいります。

マテリアリティに対するKPI・SDGs

当社グループの特徴的なマテリアリティを赤字にて記載しています。また、定量的な目標数値を青字にて記載しています。

ESG マテリアリティ KPI SDGs
E 環境経営の推進
  • CO2排出量削減:全社目標「2013年度比60%削減(2035年度)」/国内生産拠点(いわき工場)目標「2013年度比60%削減(2030年度)」
  • 廃棄物総量の削減とリサイクル率90%以上の維持/向上:廃プラスチック再資源化率65%以上(2030年度)
  • 環境に配慮した事業展開
  • 環境負荷物質排出低減(低たんぱく飼料普及による環境への窒素負荷軽減)
  • 生物多様性の推進
  • サプライチェーンマネジメント徹底と環境に配慮した製品の優先購入
 

本マテリアリティについては、当面、国内の事業活動に限り適用します。

S 企業価値向上のための多様な人材の育成
  • 自律的な学びの推進(1人当たり20時間/年、1人当たり教育研修費100,000円/年)
  • 多様な働き方の推進:遠隔地、勤務地限定、時短勤務、高・準高ワークエンゲージメント割合(40%以上維持)
  • 女性の活躍推進(2029年度目標):女性管理職比率(20%)/女性管理職候補比率(30%)
  • 両立支援(ダイバーシティ)への取り組み:ワークサポート応援金・男性育休取得日数(平均20日以上)
  • 年次有給休暇取得率 80.0%以上(全社平均)
  • 社内外における円滑な業務遂行のためのICT環境維持により、柔軟な働き方と生産性向上を図る
  • DX人材の育成を推進することで、業務プロセスの効率化を図り、組織全体としての生産性向上と従業員のワークライフバランス向上を実現する
女性の健康とアニマルヘルスに貢献する
  • スペシャリティ領域(産婦人科、甲状腺)での正しい知識の普及と疾患啓発による医療への貢献
  • 若年層に対する性教育、妊娠・出産から子育て期に関する情報発信への取り組み
  • アニマルウェルフェア(動物福祉)の推進
  • コンパニオンアニマル及び産業動物の健康維持に有用な製品開発と提供
  • 動物用医薬品とその関連疾患(特に繁殖・内分泌疾患)に関する学術活動の推進
  • 自社研究テーマの推進とアライアンス活動の強化
高品質な製品の安定供給と適正情報提供
  • バリューチェーンマネジメント強化
  • 関連法令を遵守した各種対応
  • 販売情報提供活動ガイドラインを遵守し、MR等に係る情報提供ツールの教育を強化
  • Webサイトを通じた最新情報の迅速な提供
  • 動物用医薬品ユーザー(獣医師、動物看護師、プロダクトアニマル生産者、コンパニオンアニマルオーナー)に対する適正使用の啓発活動推進
人権の尊重
  • あすか人権ポリシーに基づいた人権デューデリジェンスの実施に向けた取り組み
  • 人権に係る正しい理解のための社員教育と啓発
G ガバナンス強化
  • 健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成と財務・非財務情報の適切な開示と説明
  • 株主の実質的平等性を確保
  • 社会課題解決につながる社会貢献活動
  • ステークホルダーとの建設的な対話
  • グループ・コンプライアンス推進委員会を中心としたコンプライアンス体制の推進(重大なインシデント未然防止策の継続的な実施など)

主要なマテリアリティの取り組み実績

特にステークホルダーからの関心が高いマテリアリティのKPIに対する取り組み実績をご紹介します。
「ESG委員会」を通してマテリアリティに対する取り組み状況を把握し、更なる改善につなげてまいります。

E: 環境経営の推進  ※国内事業活動に限る
対応するSDGs 7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに、12.つくる責任、つかう責任、13.気候変動に具体的な対策を、14.海の豊かさを守ろう、16.平和と公正をすべての人に。
KPI 2025年度上期報告
CO2排出量削減: 全社目標 2013年度比60%削減(2035年度)
国内生産拠点(いわき工場)目標 2013年度比60%削減(2030年度)
  • いわき工場の取り組み
    • ①太陽光発電PPA導入
    • ②ヒートポンプ導入
    • ③CO2フリー電力購入
    • ④コミュニティセンターarca運用開始
    • ⑤第3製剤棟LED化工事全箇所完了
  • 全社エネルギー管理会議にて、年度目標および中長期目標を確認
    • ①単年度目標:エネルギーの使用の原単位を前年度比1%以上削減する。
    • ②中長期目標:CO2排出量を2030年度に2013年度比で46%削減する。
    • ③中長期目標:使用電気全体に占める非化石電気の比率を2030年度までに50%以上とする。
  • 2024年度本社ビル電気使用量相当分(836,753kwh)について2025年5月にJPEX市場にてFIT非化石証書および再エネ証明書取得。(CO2排出量:357t-CO2減)
廃棄物総量の削減とリサイクル率90%以上の維持・向上:
廃プラスチック再資源化率65%以上(2030年度)
  • いわき工場の取り組み
  • ①廃棄物総量:
    145t (2024年度)
    42t (2025年度1Q)、46t (2025年度2Q) 、2025年度上期計 88t(うち再資源化量 84t、最終処分量 4t)
  • ②再資源化率(リサイクル率)2025年度1Q:95%、2Q:96%、上期 : 96%
  • ASW活動関連:廃棄物総量の削減とリサイクル率向上につき、ASWリーダーミーティングにて再度ゴミの分別・減量・リサイクルを共有。
  • 本社の取り組み
  • ①認証複合機による誤印刷防止、ペーパーレス化、廃棄物分別徹底。文具封筒等の再利用取組み継続。
  • ②棄物分別徹底:紙ごみからの再利用紙回収の取組み継続。
環境に配慮した事業展開
  • 環境保全推進体制の維持について、藤沢市・鎌倉市の「環境保全に関する協定書」に基づき対応。
  • 湘南研究所では、新規_更新設備のノンフロン対応設備を優先導入。文具等はグリーン商品を購入。
  • いわき工場の取組:
  • ①本年度のISO14001環境マネジメントシステムを6月より本格活動開始。
  • ②地域のボランティア活動として、いわき市 アダプトプログラムに参画
  • ③いわき市公害防止協定により国規制より厳格な上乗せ条例を受け、毎月環境監視センターへ結果報告。
  • ④『いわきカーボンニュートラル人財育成コンソーシアム』に参画。
  • サプライチェーンマネジメント部の取組:バラボトル、バラキャップの包装資材をバイオマス資材への変更検討開始。
  • 5月11日「第28回 湘南国際村 めぐりの森 植樹祭」に参加し(当社11名)、社員の環境リテラシー向上を図った。
環境負荷物質排出低減(低たんぱく飼料普及による環境への窒素負荷軽減)
  • アニマルヘルスの取り組み
  • ①L-イソロイシンの普及活動により配合飼料の低蛋白化に貢献。
  • ②L-リジン及びその他飼料用アミノ酸の販売により、耕地面積の節約に貢献。
生物多様性の推進
  • 川崎跡地(当社管理区域)の緑地管理:
  • ①月1回の巡回点検の実施、外周点検通路の確保を完了。
  • ②倒木による被害回避のため高木の強剪定により、参道の参拝者の通行や高圧配電線の安全確保対策を実施。
  • ③竹林間伐による日差しの取り入れにより、下草の繁茂対策を行い、急傾斜地保護の実施。
  • ④草刈りを適時実施して跡地の適正管理により近隣との良好な関係を維持。
  • 草刈りの管理方法を大幅改善:雑草の繁茂後の草刈り実施から雑草の発生を完全に抑制する防草シート敷設。他5項目
  • TNFD提言に賛同し、TNFDフォーラムに参画するとともに、TNFD提言に対応した開示を開始。
  • 2025年4月に第10回AENとして生物多様性をテーマに研修動画を全社員に配信し、社員の生物多様性への理解深更を図った。
サプライチェーンマネジメント徹底と環境に配慮した製品の優先購入
  • サプライチェーンマネジメント部の取組:
  • ①サプライチェーンチェックリスト運用開始(CO2排出状況等)
  • ②サプライチェーンページを改定。
  • ③コストとのバランスを考慮した優先順位付けのため、環境配慮包材のチェックシートを作成。
  • 本社にて文具事務用品グリーン商品購入を推進:
    グリーン商品購入比率63%(2025年4月~9月)
  • 全社バリューチェーンマッピングにおけるサプライチェーンの位置づけを明確にし、ESG委員会および推進責任者会議の了解を得た。
S: 企業価値向上のための多様な人材の育成
対応するSDGs 3.すべての人に健康と福祉を、5.ジェンダー平等を実現しよう。
  
KPI 2025年度上期報告
自律的な学びの推進
(1人当たり20時間/年)
  • 正規従業員1名あたりの学びの時間 平均11.5時間(9月末時点)
  • 自己啓発促進のための取り組み:
  • ①新入社員研修内でUdemy、flier活用方法についての研修
  • ②従業員へのUdemy Business、flierの活用促進連絡(Udemy news×3、flierニュース×3)
  • ③選択型研修実施による自立的な学びの機会提供(4企画 計39名参加)
  • 各部門ごとの自律的な学びを推進(抜粋):GCPトレーニング、英語・中国語スキル向上研修、Leadership研修 他
多様な働き方の推進:遠隔地、勤務地限定、時短勤務、高・準高ワークエンゲージメント割合目標(40%以上)
  • 個々人のワークライフバランスを尊重し、出社勤務/在宅勤務には制限を設けず実行。
  • 地域限定MR社員制度 5名、遠隔地勤務制度 5名(9月末時点):2025年4月に地域限定MR社員取扱規程および遠隔地勤務取扱規程を改訂。
  • 時短勤務制度 6名(育休からの復職者など、9月末時点):家庭状況に応じて柔軟に取得できる環境
女性の活躍推進(2029年度目標):女性管理職比率(20%)、女性管理職候補比率(30%)
  • 法定を上回る育児休業制度の整備や、育児と仕事の両立を実践する従業員の意見や捉え方を共有する社内座談会を開催。
  • D&Iに関する定期的な研修の実施など、女性社員がライフイベントを経ながらも安心して働き続けられる職場環境の整備により、女性管理職比率が14.1%に向上。(2020年度:6.5%)
両立支援(ダイバーシティ)への取り組み:ワークサポート応援金・男性育休取得日数(平均30日以上)
  • ライフイベントによるメンバー離脱者業務を担う従業員への「ワークサポート応援金制度」の運用および周知徹底。(欠員17名に対し58名がサポート)
  • 育児休業取得に係る専用の相談窓口や社内ポータルサイトで、長期休業取得に対する不安を払拭。男性育児休業取得を推進することで、育児休業取得日数が向上(2025年度上期:31.2日、2024年度:16.28日)
  • 男性育児休業取得率:上期取得率100.0%(男性育児休業取得者10名/出生数8名)、男性育児休暇取得日数1カ月以上:7名、育児休業取得の勧奨と取得方法を上長含め案内実施(100%)
年次有給休暇取得率 80.0%以上(全社平均)
  • 年次有給休暇取得率:44.7%(管理職41.6%、一般職46.3%:9月末時点)、2025年度の働き方の指針として、年休取得率目標80%以上を従業員へ周知。
社内外における円滑な業務遂行のためのICT環境維持により、柔軟な働き方と生産性向上を図る。
  • サプライチェーンマネジメント部の取組:DX推進のフィードバックにて、Plannerの勉強会実施。
  • 下期稼働予定のネットワーク環境の刷新により、アクセス速度とセキュリティも強化を見込む。また、iPhoneの通信速度向上により、テザリング利用時の接続も向上する。
DX人材の育成を推進することで、業務プロセスの効率化を図り、組織全体としての生産性向上と従業員のワークライフバランス向上を実現する
  • 新入社員研修において、生成AIを活用して自社の歴史や事業の歩みを学ぶプログラムを導入。デジタル技術への理解を深め、DX人材としての素地を育成。
  • AI/RPAに関する社内教育などにより、DX人材育成に向けた情報発信発信。これにより、社員のデジタル活用スキルの向上と、業務効率化および生産性向上に貢献。
S: 女性の健康とアニマルヘルスに貢献する
対応するSDGs 3.すべての人に健康と福祉を、5.ジェンダー平等を実現しよう。
  
KPI 2025年度上期報告
スペシャリティ領域(産婦人科、甲状腺)での正しい知識の普及と疾患啓発による医療への貢献
  • 内分泌事業推進室の取組:産経新聞社発行情報誌「メトロポリターナ」4-5月号に甲状腺疾患啓発の記事を掲載。自治体の健康推進担当者向けwebセミナー(女性ホルモンと甲状腺ホルモンを中心とした女性のライフステージ別の健康課題)他、各種取組を実施。
  • 湘南CMCの取組:LF111(スリンダ錠28)の承認取得他、3品目の婦人科領域の製品の上市を目指し、開発を滞りなく進捗させた。
  • 営業本部の取組:肝性脳症/避妊に関するテーマ他、全国講演会/セミナーなどによる適正使用情報の積極的提供。(全国講演会 15回、エリア講演会 41回、共済セミナー 13回以上)
  • ASKAメディアセミナーの開催によって、避妊の新たな選択肢についてメディア経由で知識の普及・啓発活動を実施。54名のメディア/投資家が参加し、薬事日報・Answers News・医事新報・みずほ証券など様々な媒体で取り上げられた。
  • 6月25日に「Mint Meeting ~つながる声が、わたしを強くする~」を開催し、20代~30代の女性約50名へ健康に関する正しい情報の大切さと婦人科受診の大切さを共有した。
若年層に対する性教育、妊娠・出産から子育て期に関する情報発信への取り組み
  • 指導者のための避妊と性感染症予防セミナーにおいて、避妊や緊急避妊関連の小冊子を展示(2回 約300名参加)
  • Mint⁺ teens WEBサイト内にて避妊やプレコンセプションケアのコンテンツを追加し、性教育に関する情報発信。インスタグラム投稿(のべ27件)により、継続的に若年層への情報発信。
  • 高校保健体育副教材「高校生が知っておきたい性と健康のこと」を、国内の高校411校、170,040部を無償配布。
アニマルウェルフェア(動物福祉)の推進
  • 湘南研究所の取り組み:
  • ①研究における倫理的配慮をHP公開③9/11(木)湘南アイパーク動物慰霊祭参加。
  • ②動物実験に関する社内規程および湘南アイパーク動物実験規則を遵守し、AAALAC認証施設において実施。
  • ③9月11日に湘南アイパーク動物慰霊祭に参加。
  • 動物用医薬品、飼料添加物、サプリメントの開発/製造/販売を通じたアニマルウェルフェアへの貢献
コンパニオンアニマル及び産業動物の健康維持に有用な製品開発と提供
  • 犬用内分泌用薬の製造販売承認申請。
  • コンパニオンアニマル及び産業動物用製品の安定供給のための製造販売承認事項変更承認申請・承認取得。
動物用医薬品とその関連疾患(特に繁殖・内分泌疾患)に関する学術活動の推進
  • トリロスタン錠「あすか」関連のクッシング症候群に関する学識経験者による啓発用動画を作成。
自社研究テーマの推進とアライアンス活動の強化
  • 湘南研究所の取り組み:
  • ① オープンイノベーション積極活用による、新領域へのアプローチ。
  • ②イオンチャネルに対する創薬基盤技術導入。
  • ③国内のアカデミア研究者および公的な研究機関等に所属する研究者の方を対象とした創薬に関する共同研究公募実施。
  • 国際事業本部の取り組み:東南アジア地域での新たな提携候補企業の探索を推進。

マテリアリティ