マテリアリティ特定の背景

あすか製薬ホールディングスでは、グループ各社の持続的成長のために、おかれている「現状」と、それに伴う「機会」「リスク」を正しく分析し、当社事業との関連性や社会貢献の観点から取り組むべき最重要課題として11の「マテリアリティ」を特定しました。
特に当社の強みを発揮できるマテリアリティである「女性の健康への貢献」と「アニマルヘルスへの貢献」を基軸にグループ全体で各項目に取り組むことでSDGsの達成にも貢献してまいります。

マテリアリティ特定のプロセス

特定した11のマテリアリティ

当社事業との関連性や社会貢献の観点から、11の「マテリアリティ」を特定しました。
特に「女性の健康への貢献」と「アニマルヘルスへの貢献」は、当社の強みを発揮できるマテリアリティであると考えています。
グループ全体で各項目に取り組み、SDGsの達成にも貢献します。

マテリアリティに対する全社行動計画・KPI

ESG マテリアリティ 全社行動計画 KPI SDGs
E 環境の保護と環境負荷の継続的低減 環境保護と環境負荷の継続的低減および環境マネジメント推進
  • CO2排出量削減:2013年度比46%削減(2030年度)
  • 廃棄物総量の削減
  • リサイクル率の向上
  • 環境対策の推進
  • 環境に配慮した事業展開
  • 天然資源使用量の削減
  • 環境負荷物質排出低減(低たんぱく飼料普及による環境への窒素負荷軽減)
S 人材育成 成長戦略を実現するための人材育成
  • 社内公募および部門間異動の数(キャリアチャレンジ数)
  • 選抜型研修受講数:次世代リーダー研修受講状況
    選択型研修受講数:女性活躍推進研修(女性従業員のキャリア開発)/その他、従業員の自律的学び支援策としての選択型研修
    従業員一人当たりの投資額(教育面)
  • 社内外の階層別研修/選択型研修の実施状況(女性従業員のキャリア開発)
従業員エンゲージメント 組織への理解、共感、行動意欲に応える環境整備推進および従業員の健康と多様性を尊重したワークライフバランスの実現
  • 労働時間の適正化:年休の計画取得推進、年休の取得促進指導、時間単位の年休付与 など
  • 健康経営への取り組み
  • 多様な働き方の推進:在宅勤務、テレワーク、フレックスタイム、時短勤務 など
  • 定期的なストレスチェックとエンゲージメント調査の実施
  • 女性の活躍推進(2024年度目標):女性管理職比率(15%)/女性MR比率(20%)
  • 多様な人材の活躍推進
  • 次世代育成支援対策への取り組み:産前産後休暇(取得率100%)/男性社員育児休業(取得率100%)
  • MRの産前産後休暇、育児休業取得の支援(復帰プログラム、懇親会の実施など)
革新的な製品の創出 オープンイノベーションによるパイプラインの拡充
  • 自社研究テーマの推進
  • アライアンス活動の強化
医療アクセス拡大 自らの強みを活かした専門領域への貢献
  • スペシャリティ領域(産婦人科、甲状腺)での充実した情報提供
  • 正しい知識の普及と疾患啓発
  • 検査/受診推進活動による疾患の早期鑑別
  • 非侵襲性測定キットによる疾患の早期発見
女性の健康への貢献 女性の健康のトータルサポート
  • 女性のライフステージ別製品提供による女性医療への貢献
  • 女性医療への新たな取り組み
  • 女性活躍推進のための健康や疾患に関する啓発活動
  • 若年層に対する性教育への取り組み
  • 家族やパートナーへの女性の健康問題に関する啓発活動
アニマルヘルスへの貢献 人と動物が共生できる社会づくりへの貢献
  • アニマルウェルフェア(動物福祉)の推進
  • コンパニオンアニマルの健康維持に有用な製品開発と提供
  • 体毛を用いた非侵襲性測定キットの開発と提供
  • 生物多様性の推進
高品質な製品の安定供給 製品の品質と安定的調達および供給
  • サプライチェーンマネジメントの強化
  • 適正なGMP監査の実施
  • 適正なGQPの実施(品質保証体制の確保)
製品の適正使用推進 安全性の確保および適正使用情報の提供
  • 適正な臨床試験の実施(GCP遵守)
  • GVP、RMPの確実な実施
  • 販売情報提供活動ガイドラインの遵守
  • 適正使用推進のための資材・知識の普及とMRなどへの製品教育の強化
  • Webサイトを通じた最新情報の迅速な提供
G コーポレートガバナンス 持続的成長のための企業体制構築
  • 健全な事業活動倫理を尊重する企業文化、風土の醸成
  • 株主の実質的平等性を確保
  • 社会課題解決につながる社会貢献活動
  • ステークホルダーとの建設的な対話
  • 経営戦略、業績、財務状況、資本政策などの適切な開示、説明
法令遵守とコンプライアンスの徹底 コンプライアンスの徹底と信頼性を重視する組織風土の醸成
  • グループ・コンプライアンス推進委員会を中心としたコンプライアンス体制の推進
  • 重大なインシデント未然防止策の継続的な実施

主要なマテリアリティの取り組み実績

特にステークホルダーからの関心が高いマテリアリティのKPIに対する取り組み実績をご紹介します。
「ESG委員会」を通してマテリアリティに対する取り組み状況を把握し、更なる改善につなげてまいります。

E: 環境の保護と環境負荷の継続的低減
全社行動計画 環境保護と環境負荷の継続的低減及び環境マネジメント推進
対応するSDGs
KPI 2024年度上期 報告
CO2排出量削減: 2013年度比46%削減(2030年度)
  • いわき工場CO2排出量(2024年度上期):
  • ・CO2フリー電力購入反映値:4,185[t-CO2] ⇒前期比87%(2023年度上期:4,826[t-CO2])
  • ・CO2フリー電力購入未反映値:4,677[t-CO2] ⇒前期比92%(2023年度上期:5,104[t-CO2])
  • 第1製剤棟改修工事が完了し、5月本格稼働を開始。6月から太陽光発電PPAが運用開始となり、発電電力がCO2フリーであること、東北電力からのCO2フリー電力購入比率が16%から32%に増加したこと等が起因し、前年と比較しCO2排出量が減少した。
  • いわき工場CO2削減の取組事項:①太陽光導入/②ヒートポンプ導入/③CO2フリー電力購入/④第4製剤棟機械室の蒸気配管にエコクロスジャケット導入
  • 全社エネルギー管理会議を7月24日に開催し、年度目標および中長期目標を確認した。
  • 電気使用量2024年度上期実績:444,618kwh(2023年度上期実績:432,129kwh 対前年度比103%)/ガス使用量2024年度上期実績:33,210㎥(2023年度上期実績:34,200㎥ 対前年度比97%)
  • 2023年度本社ビル電気使用量相当分(836,353kwh)について2024年6月にJPEX市場にてFIT非化石証書および再エネ証明書取得。 これにより本社ビルCO2排出量は373t-CO2減となった。
廃棄物総量の削減
  • いわき工場廃棄物総量: 2021年(157t) 2022年(137t) 2023年(159t)2024年(上期:67t/1Q:38t 2Q:29t/ 再資源化量:63t/最終処分量:4t)
  • 第1製剤棟の生産量増加に伴い、容器資材(梱包材・保冷剤など)の総量が増加した。 内訳は 67 tに対して、再資源化量 63 t、最終処分量は 4 t(原材料・最終製品など)。破砕機による樹木等の破砕を実施し一般廃棄物の発生量を20%抑制をした。
  • 2024年度上期の本社ビル廃棄物総量:14.1t(港区提出2024年度年間廃棄物計画量34.4tに対し41%)
リサイクル率の向上
  • いわき工場再資源化率(リサイクル率):2021年(58%)2022年(79%)2023年(95%)2024年(1Q:94.7%/ 2Q: 93.1%)
  • 上期再資源化率は93.9%と有価物リサイクル化により順調に推移。
  • 2024年度上期の本社ビル廃棄物に占めるリサイクル処理される廃棄物割合:4月‐9月廃棄物リサイクル率 72.9% (リサイクル量10.3t/廃棄物量14.1t)
環境対策の推進
  • いわき工場にて地域のボランティア活動として、いわき市アダプトプログラム参画による環境美化運動を毎月計画通り実施した。
  • 本社_文具事務用品グリーン商品購入を推進 グリーン商品購入比率45%(2024年4月∼9月)
環境に配慮した事業展開
  • イニシアティブ「再エネ100宣言 RE Action」への2023年度分取り組み報告。
  • チラーヂンの環境に配慮した包装変更を実施した。
天然資源使用量の削減
  • アニマルヘルスにおいて、飼料添加物フィターゼの販売により天然資源であるリン鉱石の使用削減と、塩酸L-ヒスチジンを上市し、養魚飼料の魚粉使用量低減及び天然魚粉資源の保護に貢献。
  • 本社ビル:水使用量(市水) 2024年度上期実績 3,913㎥(2023年度上期実績 4,133㎥)
  • ホームページに「水資源への取り組み」ページを新設。
    https://www.aska-pharma-hd.co.jp/csr/environment/water_resource.html
環境負荷物質排出低減
(低たんぱく飼料普及による環境への窒素負荷軽減)
  • アニマルヘルスにおいて、飼料用アミノ酸の普及により飼料の低タンパク化に貢献している。
S: 人材育成
全社行動計画 成長戦略を実現するための人材育成
対応するSDGs
  
KPI 2024年度上期 報告
社内公募および
部門間異動の数
(キャリアチャレンジ数)
  • 社内公募については、次期人事異動に反映できるよう指定期日に社内公示。
  • GRAPE Program〔Step3〕の 海外語学研修および海外留学について、次期人事異動に反映できるよう「社内公募(Global Challenge)」を2024年に公示。
・選抜型研修受講数:次世代リーダー研修受講状況
(5年間でミドル層を中心に30%以上の修了を目指す)
・選択型研修受講数:女性活躍推進研修(女性従業員のキャリア開発)/その他、従業員の自律的学び
支援策としての選択型研修従業員一人当たりの投資額(教育面)
  • 不妊治療に関する知識向上のため全MRおよび選抜者を対象とした研修をそれぞれ2回実施。
  • 選抜型研修:「次世代リーダー研修(APPLE Program)_第2期」実施(下期も継続)
  • 選択型研修:「AI活用による業務効率化研修」:42名受講、「多様な働き方/ダイバーシティ研修」:18名受講、「問題発見力開発研修」:20名受講、「究極のコミュニケーション研修」:25名受講、「セルフブランディング研修」:21名受講、「未来を拓く/創る/繋ぐ 伝承術研修」:11名受講【のべ7研修、総計137名受講】
社内外の階層別研修/選択型研修の実施状況(女性従業員のキャリア開発)
  • ジェンダーダイバーシティを推進するためのキャリア開発として実施した「多様な働き方/ダイバーシティ研修」では、「将来、経営職に挑戦したい」または「チャレンジできるかどうか悩んでいる」という若手社員に向け、自身の強みや今後やりたいこと、そのために必要なことについて考える機会を提供した。当日は、経営職候補である主査/係長によるパネルセッションを実施し、自分らしく活躍するためのヒントを質問や相談を通して共有した。
  • 社内オリジナルサステナビリティ研修動画:ESGに係る内容をHD全員に周知(受講率:95.7% 確認テスト正解率:95.3%)全社をあげたESG経営推進の気運高揚に貢献した。
  • 全社のサステナブル意識浸透と取り組み共有を期したサイト「サステナビリティRoom」をオープンし、逐一最新情報を提供した。
S: 女性の健康への貢献
全社行動計画 女性の健康のトータルサポート
対応するSDGs
  
KPI 2024年度上期 報告
女性のライフステージ別
製品提供による
女性医療への貢献
  • 婦人科領域の新製品の上市を目指し、所定の品目について開発を滞りなく進捗させた。
  • 女性ホルモン(プロゲステロン)量が測定できる検査キット「Proges」(プロジェス)を発売した。
女性医療への
新たな取り組み
  • 製品にとらわれず疾患啓発を行う医師向けWEBセミナー「Aska Gynecology Talk」を新たに企画し、更年期障害、HPVワクチンに関する講演会を実施。
  • CVCファンドは、女性の健康やウェルビーイングに貢献するFemtech領域を投資対象とした投資活動を実施している。CVCファンドから新たに2件のFemtechスタートアップ投資を行った。
  • NPO法人Fineに協賛し、世界不妊啓発月間イベントに参加。
女性活躍推進のための健康や疾患に関する啓発活動
  • 湘南研究所の取り組み:7/19-20アイパークフェスタにて、来場者にMint+のパンフレットを配布。
若年層に対する
性教育への取り組み
  • 指導者のための避妊と性感染症予防セミナー(SRHセミナー)での患者さん向け情報共有資材の展示。(4回/参加者480名)
  • Mint⁺ teens:
  • ・主に高校生を対象に、生理がイベントに重なった場合の対処の記事など4件をアップした。
  • ・Mint⁺ teens :インスタグラム(フィード)の投稿:11件
  • ・Mint⁺ teens :JKクリニックへの協賛を決定した。
  • Mint⁺:2024年度版高校生保険体育副教材(PDF)を追加した。(冊子提供:17万部/413校)
家族やパートナーへの
女性の健康問題に関する
啓発活動
  • 定期健康診断およびコーポレートアイデンティティー企画(甲状腺機能検査)の実施。
  • 生理痛模擬体験イベントを実施
  • ・参加者:82名(男性65名、女性17名)
S: アニマルヘルスへの貢献
全社行動計画 人と動物が共生できる社会づくりへの貢献
対応するSDGs
     
KPI 2024年度上期 報告
アニマルウェルフェア
(動物福祉)の推進
  • 動物実験計画の審査をより適切に進めるため動物実験管理システムを導入。(2024年4月稼働開始)
コンパニオンアニマルの
健康維持に有用な
製品開発と提供
  • アニマルヘルスにおいて、トリロスタン錠「あすか」:併発症を有する犬クッシング症候群に対する投薬方法について、動画5本作製/配信中。また、獣医療関係者(獣医師と愛玩動物看護師)を対象とする学術資料を作成/配布した。
体毛を用いた
非侵襲性キット測定製品の
開発と提供
  • コンパニオンアニマル分野において、当社の得意分野を活かした測定キットを開発中。
生物多様性の推進
  • 家畜/家禽、愛玩動物、養殖魚と多様な生物に対する製品を提供することにより、生物多様性の環境造りに貢献。