女性医療の重要性と社会課題
私たちは「生命」にかかわる企業として、企業活動(価値ある医薬品を提供すること)を実施するだけでなく、ESGへの取り組みなど、サステナビリティを推進することで、社会の健全な発展への貢献を目指しています。サステナビリティの重要課題として特定する11のマテリアリティのなかには、あすか製薬ホールディングス独自の価値創造につながる「女性の健康への貢献」、「アニマルヘルスへの貢献」が含まれています。これらは、人々の健康と明日の社会に貢献するだけでなく、私たちの企業としての成長ドライバーそのものであると考えています。現在、女性の健康は、豊かな未来の実現に向けて社会を挙げて取り組むべき課題と捉えられています。私たちが専任部署を立ち上げて注力するフェムテック(女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する商品やサービス)は、日本政府による「女性版骨太の方針2024(女性活躍・男女共同参画の重点方針)」においても、その推進が叫ばれています。私たちは「産婦人科領域のリーディングカンパニー」として、予防、検査・診断、治療そして予後も見据えながら、女性の健康をめぐる社会課題を解決していきます。
あすか製薬ホールディングス株式会社
代表取締役専務取締役 サステナビリティ担当 丸尾 篤嗣
創出価値
あすか製薬による国内の月経随伴症状に対する
2023 年度の社会的貢献は428 億円
子宮筋腫、子宮内膜症、月経困難症などに代表される女性特有の疾患は、患者数が増加傾向にあります。その背景には、生涯の月経回数の増加が挙げられます。女性の社会進出に伴い晩婚化や晩産化の傾向が進み、生涯の出産回数は昔は5回だったのが現在では2回へと半分以下になり、女性の生涯の月経回数は50回から450回へと9 倍に増加している*1といわれています。
月経にまつわるさまざまな不調に耐えながら業務にあたり、本来のパフォーマンスを発揮できない女性は国内に約700万人おり、年間の経済損失額は5,672億円との試算があります。
このような状況下において、あすか製薬は、産婦人科領域のリーディングカンパニーとして、女性の月経随伴症状を改善するさまざまな医薬品の提供を通じて、年間428億円の経済損失の回避に貢献しています。
私たちは予防から検査・診断、治療そして予後までを見据えたアプローチで、社会課題の解決に貢献していきます。
*1 Short RV:Proc. R. Soc. Lond B. Biol. Sci. 1976; 195, 3-24.より
経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」より算出
月経随伴症状により「欠勤」または「業務効率・パフォーマンスの低下」している女性の労働生産性の損失額を下記の要素を用いて算出。
「女性就労者(正規/非正規)」
「有症状・無行動層*3の割合」
「月経随伴症状による欠勤者の割合」
「月経随伴症状による欠勤日数(年間)」
「月経随伴症状があっても出勤する割合」
「出勤者のうち月経随伴症状でパフォーマンスが低下する人の割合」
「月経随伴症状によるパフォーマンスの低下度合」
「月経随伴症状でパフォーマンスに影響を受ける日数(年間)」
「平均賃金(日給)」
*2 算出根拠
「あすか製薬の医薬品による経済損失軽減額428億円」=「月経随伴症状のケアを通じた経済損失軽減額5,031億円」×「あすか製品による経済損失回避割合8.5%」
「あすか製品による経済損失回避割合8.5%」=「あすか製品の服用者数520,127人」÷「有症状・有行動の女性就労者数6,110,000人」
*3 月経随伴症状による何らかの症状があるにもかかわらず対策を取っていない層