基本的な考え方
当社は、次の基本的な考え方に沿って、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。
- 株主の権利が実質的に確保されるよう努めるものとし、株主の実質的平等性を確保する。
- ステークホルダーとの適切な協働に努め、健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に努める。
- 会社の財政・経営その他の情報を適切に開示し、透明性を確保する。
- 取締役会は、企業戦略に基づく積極果敢な経営判断を行う環境整備を行うとともに、取締役に対する実効性の高い監督を行う。
- 株主との間で建設的な対話を行う。
コーポレート・ガバナンス体制図
取締役会
原則毎月1回、必要ある場合は臨時取締役会を随時開催しています。取締役と監査役が出席し、法令、定款ならびに当社関連規程の定めに従い、経営戦略の方針や経営に係る重要事項を決定し、業務執行に対する監督を行っています。
取締役会の主な審議事項と議論内容
- 経営上の重要な契約
- 重要な会社財産の処分
- 人事異動
- 組織改正
- 役員報酬
- 決算・予算、株主総会
- 就業規則・全社規程
- グループ各社に係る案件
経営会議
原則毎月1回開催し、経営に関する案件の審議・決定、経営方針や経営戦略などの重要案件の審議を行っています。
グループ事業戦略会議
当社における業務の適正を確保するための体制として、グループ各社の統括部署を定めて総合的に管理しているほか、グループ事業戦略会議を年4回開催し、情報を共有しています。
グループ指名委員会・グループ報酬委員会
役員の指名や報酬についてその審議プロセスの公正性・客観性を高めるため、取締役会から独立した諮問委員会としてグループ指名委員会ならびにグループ報酬委員会を設置しています。
各委員会は、代表取締役、専務以上の役付取締役等および社外委員で構成され、委員の過半数が社外委員であり、委員長も社外取締役とすることで、独立性を確保しています。
グループ指名委員会・グループ報酬委員会の主な審議事項と議論内容
グループ指名委員会
- 取締役の選任手続きについての審議
- 取締役会への答申内容決定
グループ報酬委員会
- 役員報酬における課題や検討項目の洗い出し、意見交換
- 役員報酬額についての審議
- 取締役会への答申内容決定
監査体制
当社は、取締役会から独立した立場で取締役の職務執行を監査する目的で、監査役会設置会社を選択しています。監査役会は、社外監査役2名を含む4名で構成されており、原則毎月1回開催し、監査に関する重要な事項について協議と決議を行うとともに、取締役会付議事項の事前確認なども行っています。
外部監査については、会計監査人として清陽監査法人と監査および四半期レビュー契約を締結し、会計監査を受けています。
内部監査については、グループ監査部を設置しており、公正かつ独立の立場でグループ会社を対象とした監査を実施しています。さらに、グループ監査部では、財務報告に係る内部統制についての整備状況および運用状況の評価を行っています。
ESG委員会
当社グループの事業との関連性や社会貢献の観点から11のマテリアリティ(最重要課題)を特定し、それぞれに対して全社行動計画とKPIを設定しました。特に、当社の強み・オリジナリティを発揮できる特徴的マテリアリティは「女性の健康への貢献」と「アニマルヘルスへの貢献」の2つであると考えています。
合わせて、気候変動問題を事業に影響をもたらす経営課題のひとつと捉え、TCFD提言に沿った気候変動の情報を開示しています。
当社グループは生命にかかわる企業として、社会や地域の一員として、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを推進することで、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するなど、広く社会に貢献します。
グループ・コンプライアンス推進委員会
当社グループでは、グループ経営に重大な影響を与えるリスクへの認識と対応を図るとともに、法令・企業倫理遵守を徹底するコンプライアンス体制を推進するために、ホールディングス内にグループ・コンプライアンス推進委員会を設置し、統括を行っています。
スキル・マトリックス
|
氏名 |
役職 |
企業経営 |
研究
開発・
知的財産 |
営業・
マーケ
ティング |
医学・
薬学
専門知識 |
財務・
会計 |
法務・
リスク
管理 |
サステナ
ビリティ
・ESG |
取締役 |
山口 隆 |
代表取締役
社長 |
● |
● |
|
● |
|
|
|
丸尾 篤嗣 |
代表取締役
専務取締役 |
● |
|
|
|
● |
|
● |
山口 惣大 |
代表取締役
専務取締役 |
● |
● |
|
|
|
● |
|
森 麻衣子 |
取締役
常務執行
役員 |
|
● |
|
● |
|
● |
|
山口 文豊 |
取締役
常務執行
役員 |
● |
|
● |
|
|
|
● |
吉村 𣳾典 |
社外取締役 |
|
● |
|
● |
|
|
● |
粟林 稔 |
社外取締役 |
● |
|
● |
|
|
● |
|
榎戸 康二 |
社外取締役 |
● |
|
● |
|
|
● |
|
監査役 |
熊野 郁雄 |
常勤監査役 |
|
|
● |
|
● |
|
● |
福井 雄一郎 |
常勤監査役 |
● |
|
● |
|
● |
|
|
木村 高男 |
社外監査役 |
|
● |
|
● |
|
● |
|
福地 啓子 |
社外監査役 |
|
|
|
|
● |
● |
● |
- ※取締役・監査役の有する特に専門性の高いスキルおよび取締役・監査役に期待するスキルについて3つまで示しています。
スキルの選定理由
スキル項目 |
スキル選定理由 |
企業経営 |
事業環境が大きく変化し、不確実性が高まるなか、当社グループが目指す「スペシャリティファーマを基盤とするトータルヘルスケアカンパニー」の実現に向け、中長期的に持続可能な成長戦略を策定・推進するためには、医療・製薬業界のみならず、企業経営全般に関する広範な知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
研究開発・知的財産 |
アンメットメディカルニーズに応える製品の継続的な創出には、オープンイノベーションによる研究開発力の強化や、知的財産活動のグローバル化が不可欠です。それらを推進するためには、研究開発・知的財産に関する確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
営業・マーケティング |
医療やアニマルヘルスの事業環境が急速に変化するなか、デジタルを活用した営業・マーケティング戦略を推進し、医薬品や製品に付随する適正使用情報を提供し続けるためには、営業・マーケティングに関する確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
医学・薬学専門知識 |
当社グループが目指すトータルヘルスケアカンパニーの実現に向け、予防から検査・診断、治療、予後に至るまで、人と動物の健康に広く貢献するためには、医学・薬学分野における確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
財務・会計 |
正確な財務報告はもとより、安定的な財務基盤の確保と資本効率向上の両立や、適切な株主還元を実現する財務資本戦略を策定・推進するためには、財務・会計分野における確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
法務・リスク管理 |
適切なガバナンス体制の確立は持続的な企業価値向上の基盤です。法令・企業倫理遵守を徹底するコンプライアンス体制を推進するためには、法務・リスク管理に関する確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
サステナビリティ・ESG |
当社グループは、サステナブル経営に取り組み、企業の経済的価値の最大化と社会的価値の向上を両立させることで、企業価値向上を目指しています。そのためには、サステナビリティ・ESG分野における確かな知識・経験・実績を持つ取締役が必要です。 |
取締役会・監査役会・委員会等の出席状況
取締役会
氏名 |
出席状況 |
◎山口 隆 |
100% (16/16) |
丸尾 篤嗣 |
94% (15/16) |
山口 惣大 |
100% (16/16) |
森 麻衣子 |
100% (11/11) |
山口 文豊 |
100% (11/11) |
吉村 𣳾典 |
100% (16/16) |
粟林 稔 |
-(新任) |
榎戸 康二 |
-(新任) |
熊野 郁雄 |
100% (16/16) |
福井 雄一郎 |
100% (16/16) |
木村 高男 |
100% (16/16) |
福地 啓子 |
100% (16/16) |
※◎:議長
監査役会
氏名 |
出席状況 |
◎熊野 郁雄 |
100% (19/19) |
福井 雄一郎 |
100% (19/19) |
木村 高男 |
100% (19/19) |
福地 啓子 |
100% (19/19) |
※◎:議長
グループ指名委員会
氏名 |
出席状況 |
山口 隆 |
100% (1/1) |
山口 惣大 |
100% (1/1) |
◎吉村 𣳾典 |
100% (1/1) |
木村 高男 |
100% (1/1) |
福地 啓子 |
100% (1/1) |
※◎:委員長
グループ報酬委員会
氏名 |
出席状況 |
山口 隆 |
100% (1/1) |
山口 惣大 |
100% (1/1) |
◎吉村 𣳾典 |
100% (1/1) |
木村 高男 |
100% (1/1) |
福地 啓子 |
100% (1/1) |
※◎:委員長
ESG委員会
氏名 |
出席状況 |
◎丸尾 篤嗣 |
100% (2/2) |
山口 惣大 |
50% (1/2) |
山口 文豊 |
100% (2/2) |
※◎:委員長
グループ・コンプライアンス推進委員会
氏名 |
出席状況 |
◎丸尾 篤嗣 |
100% (1/1) |
森 麻衣子 |
100% (1/1) |
山口 文豊 |
100% (1/1) |
※◎:委員長
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の実効性に関する現状認識とさらなる向上を目的に、全取締役、全監査役に対するアン
ケートを毎年実施しています。実施したアンケート結果をもとに評価・分析したところ、当社取締役会は適切に機能しており、取締役会全体の実効性が確保されていることを確認しています。
当社は、今回の評価結果を踏まえ、さらなる取締役会の機能充実を図るとともに、今後も取締役会の実効性の向上に努めていきます。
実施要項
対象 |
取締役会全メンバー |
評価方法 |
- アンケートを対象者に実施
(5段階評価および自由記述、無記名方式)
- 回答内容の分析
- 取締役会にフィードバック
- 取締役会のさらなる機能充実に向けた取り組み
|
アンケートの主な項目 |
取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の審議内容、取締役会を支える体制 |
上場株式の政策保有に関する方針
当社は、事業拡大や取引関係の維持・強化等の観点から当社グループの企業価値の維持・向上に資すると判断した株式につき、政策的に長期保有する。ただし、当該株式については個別に、保有先の企業業績・財務状況、収益性・成長性を示す経営指標、保有の便益と資本コストの対比等を取締役会にて精査・検証し、保有の意義が必ずしも十分でないと判断される株式については保有先との対話結果等を踏まえた上で縮減を図ることとする。
政策保有株式に係る議決権行使に関する基準
政策保有する株式の議決権行使は、以下の方針に則り実施する。
- 保有先との取引関係等を踏まえつつ、その企業業績・財務状況、株主への利益還元姿勢等の検証を通じて、当社グループの企業価値の維持・向上に資するか否かを総合的に判断する。
- 企業価値や株主利益向上への取り組みに問題があると判断される議案に対しては、保有先との対話結果等を踏まえた上で、その問題の改善に資する内容で議決権行使する。
買収防衛策
当社では、買収防衛策を導入しておりません。
税務ポリシー
- あすか製薬ホールディングスグループは、グループ業務に関わる税務関連法規を遵守します。
- あすか製薬ホールディングスグループは、税の透明性確保と適正な納税を徹底します。
人権
人権ポリシー
あすか製薬ホールディングスグループ(以下「当社グループ」)は、国連グローバル・コンパクトの署名企業として、国連グローバル・コンパクトの定める4分野(人権、労働、環境、腐敗防止)10原則に賛同し、経営トップ自らの責任のもと実践します。
(適用範囲)
本ポリシーは、当社グループのすべての役員・従業員に適用します。事業活動に関わるサプライチェーンを含む国内外すべてのステークホルダーに対しても同様の理解を求めます。
(差別の禁止)
当社グループは、人種、国籍、民族、社会的身分、性別、障害の有無、健康状態、年齢、肌の色、宗教、信条・思想、性的思考・性自認等を理由としたあらゆる差別、ハラスメント、嫌がらせを禁止します。
(結社の自由と団体交渉権の尊重)
当社グループは、適用される法規制に従い、当社グループ従業員の結社の自由及び団体交渉権を尊重し、社員の権利を保障し、差別なく健全で良好な労使関係を維持・推進します。
(労働環境の整備と賃金)
当社グループは、法令を遵守し、適切な労働時間管理及び休日・休暇等の付与を行うほか、当社グループ従業員が安心して仕事に取り組める状態を維持できるよう職場環境の整備に努めます。また、各地域における法定給付・控除、時間外労働等に関する法令要件を遵守し、法定最低賃金の基準を上回る金額を確保します。
(強制労働等の禁止)
当社グループは、あらゆる形態の強制労働、児童労働を禁止します。
(内部通報制度)
当社グループは、職場における不当な差別・嫌がらせ、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントに関する従業員の声をコンプライアンスの実践に反映させる体制として、内部通報窓口「あすか製薬ホールディングスコンプライアンス相談窓口」を整備するとともに、当社グループの役員が関与するコンプライアンス関連事案を相談・通報できる窓口として、あすか製薬ホールディングスの常勤監査役による窓口(監査役窓口)を設置しています。
通報は、匿名でも受け付けており、いずれの事案にも適切に対処しています。公益通報者保護法の趣旨に則り、通報者の保護はもとより、コンプライアンス関連事案の収集・調査・是正措置が適時適切に行われるよう運用しています。
人権の尊重
当社では、「国の内外を問わず、人権を尊重するとともに、すべての法令、行動規範およびその精神を遵守し、高い倫理観と社会的良識をもって行動する」と企業行動憲章に定め、CSR基本方針においては、企業活動によって影響を受けるすべての人々の人権を尊重すること、社員の多様性を尊重し、安全で働きやすい企業風土を醸成することを掲げています。あらゆる差別のない企業・社会の実現に向け、人権尊重の大切さやコンプライアンスについての研修を実施し、社員の尊厳を守りながら一人ひとりが最大限に力を発揮し合える職場づくりを進めています。
良好な労使関係
労働組合との関係にも注力し、労働条件・労働環境に係る諸課題をはじめ、次世代支援に係る働き方の諸課題等、多くの労使協議の場を持ち、対応することで社員の権利を保証し、健全で良好な労使関係を維持・推進しています。
職場におけるハラスメントの防止
当社では、職場における不当な差別・嫌がらせ、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントが、快適な職場環境で働く権利を侵害し、きわめて卑劣な行為であるという意味において、人権侵害に関わる重要な問題であると考えています。
当社は、こうしたハラスメントを防止し、排除するため雇用管理上必要な配慮や社員教育を実施しています。特に、管理職に対しては、ハラスメントに関する研修において、ガイドブックを利用し、より具体的な事例を学ぶことを通して、正しい知識を身につけ、ハラスメント防止の意識を高めることを徹底しています。
株主との対話
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の実現のため、株主・投資家から適切な評価と信頼を得ることが不可欠と考え、株主・投資家との対話を合理的かつ継続的に実施する。また、IR活動を通じ、株主・投資家に対し、当社の経営戦略・業績・財務状況・資本政策等を適切に開示・説明することで、株主・投資家による経営戦略等の理解を充実させることに努める。
当社は、IR活動等を含む株主・投資家との建設的な対話を促進するため、取締役の中から担当取締役を選任する。担当取締役は、株主・投資家との対話全般について統括し、建設的な対話の実現に努める。
実際の対話は、担当取締役の他、株主・投資家の希望と面談の主な関心事項も踏まえた上で、指名された者が行うが、正確な情報を提供するべく担当部署が各部門と連携の上、対話者を補助する。
対話がより建設的かつ有意義なものとなるよう、適切な情報発信と開示内容や対話手段の充実にも継続的に取り組み、対話内容は必要に応じ、担当取締役を通して取締役会にフィードバックする。
また、対話に際しては、別途定める「広報規程」に従い、未公開の重要情報を特定の者に選別的に開示しないこととする等、インサイダー情報の適切な管理にも努める。